ビリーとの出会い
今から6年くらい前だと思いますが、
『とんねるずのみなさんのおかげでした』で
とんねるずが『みやぞん』の自宅に行く、
という企画がありました。
そこでみやぞんの家にいたのが、
ビーグルの雑種で『ラブ』という犬でした。
テレビで見る限りすごくおとなしくてお利口で、
私は番組の内容そっちのけでラブにくぎ付けになりました。
その後1年くらいして私は家を購入したのですが、
購入後しばらくしてふとなぜか
そのラブのことを思い出しました。
そして子供がいない私たちのもとに、
ラブのようなお利口なビーグルがやってきたら、
もっと楽しい生活が送れるのではないか
と思うようになりました。
そこで県内でビーグルを扱っているブリーダーさんをネットで検索し、
休日に妻を誘ってとりあえず子犬を見に行くことにしました。
ブリーダーさんのところに行くと、
2匹のビーグルの子犬がいました。
1匹は活発で人懐っこいメス、
もう1匹はおとなしくおもちゃを噛んでいるオスでした。
ブリーダーさんに子犬を抱かせていただいたら最後、
すっかり心を奪われてしまいました。
そしてぜひどちらかを飼いたいと思いました。
うちは夫婦共働きなので、
平日の日中はほとんどお留守番をさせてしまうことになります。
そこで妻とも相談して、
おとなしい方のオスにした方が留守中の近所迷惑にもならないし、
犬にとってもいいだろうという結論になりました。
その場で購入を即決し、2週間後、車で子犬を引き取りに行きました。
帰りの車の中で名前を考えましたが、
私の直感で
『ビリー』と名付けることにしました。
家についてもビリーは緊張することもなく、
好奇心いっぱいに床の匂いを嗅ぎまわりました(いきなり粗相はしましたが)。
事前におもちゃなどを準備していたので、
ビリーと遊んであげたりしました。
夜はビリーを1階に設置したサークルに入れて、
私たちは2階のベッドでいつものように就寝しました。
家に来た初日の夜は不安のせいか夜通し泣き続けていました。
泣き声を聞くのは辛かったですが、
事前に本で勉強していたので、
ビリーが泣いても2階から降りていくことはしませんでした。
すると2日目以降は
1階から泣き声が聞こえることはありませんでした。
これから穏やかにペットとのスローライフを送っていけるもの
と思っていましたが、
その後の現実は甘くありませんでした。
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ビリーは吠えたりはしないものの、
サークルに入れればペット用ベッドもビリビリにして
中の綿をまき散らし、
トイレシーツもビリビリにしました。
フリーにすればあちこちで粗相するし、
目を離せば家具や階段をかじったりしました。
おかげでビリーが来るまでは
まだ新築の状態を保っていた我が家も、
あちこちにビリーの噛み跡や歯形が
散見される状態になりました。
私は犬のトレーニング本を何冊も読んで
しつけをしようと頑張りましたが、
ビリーは一向に私たちの言うことを聞いてくれませんでした。
癒しを求めてペットを飼ったのに、
逆にペットを飼うことで
ストレスを感じるようになってきました。
そしてビリーを飼いだしたことをだんだん後悔するようになりました。
これはよくないと思い、
同じ市内でフリーランスとして
出張型のしつけインストラクターをしている方に
週に1回来ていただくことにしました。
そこでトイレトレーニングの方法や、
食事やおやつ前の『待て』、
嚙んだおもちゃを離させる『アウト』のしつけ方などを教わり、
毎日繰り返しビリーに教えました。
これらのことはほどなくしてできるようになりましたが、
インストラクターさんに来ていただいて一番良かったのは、
私とビリーの関係をビリーに自覚させることでした。
それまでのビリーは、私たちが甘やかしたせいか、
自分が一番偉いとばかりに傍若無人にふるまってきました。
そして何より私たちに体を触られるのを嫌がりました。
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そこでインストラクターさんに教えていただいたのは、
まず椅子に座ってビリーの肩を両手で持った状態で
膝の上に仰向けに寝せます。
そしてビリーがどれだけ暴れても、
暴れなくなるまで絶対ビリーの肩から手を離さない
ということをする方法でした。
実際にインストラクターさんが私たちの目の前でやって見せたのですが、
最初ビリーは聞いたこともない声で鳴きながら
足をバタバタさせたり
体をひねろうとしたりします。
しかし、しばらくすると力尽きておとなしくなりました。
手を離すとすぐ膝から降りますが、
どこかショックを受けたような表情になりました。
これを私がやることで、
ビリーに私との主従関係を教えさせるというトレーニングでした。
早速インストラクターさんが帰宅後、
私も同じことをやってみました。
ビリーはまた泣きながら足をバタつかせ、
何とか私の手から逃れようとしてきます。
私は心を鬼にして
「ビリー!ビリー!」
と叫びながらビリーの肩を必死に押さえつけました。
しばらくしてビリーは私の手の中で抵抗するのをやめました。
私の手はビリーのバタつかせた後ろ足で、
ひっかき傷だらけになりました。
しかしその甲斐あってか、
明らかにその後のビリーの態度は変わりました。
さすがに急に忠犬になったりはしませんが、
イタズラをして注意をするとすぐにやめたりするようになりました。
それから少しずつ私たちに体を触られても嫌がらないようになりました。
まとめ
4年たった今では
私が座っていると足元にお尻をくっつけて座って、
背中を撫でるように催促してくるまでになりました。
それでも無視したりすると、
私の手を引っ搔いてきて自分の体を撫でるように要求してきます。
本で読んだのですが、そもそも犬は背骨の周辺にツボがあるらしく、
撫でられたりマッサージされたりすると気持ちがいいそうです。
また人に触られるのに慣れさせたほうが、
病気や介護が必要になったときも、人に体を預けられるようになるようです。
今思えば、ビリーがどんなに嫌がっても撫で続けてきてよかったと思っています。
その後もやはりイタズラ癖は相変わらずですが、
年がたつにつれ落ち着くようにはなってきました。
ほかの犬に比べるとまだまだ落ち着きがない部類に入ると思いますが、
最初からビリーを知っている私たちからしてみれば、
随分大人になってくれたなあと親バカ目線で見てしまいます。